ビークル制御・自動運転

ここでは,ビークルの自動運転に関してmatlabコードを表示しつつ説明します。まず,自動運転のための制御則を理解する上で,車両座標系と経路との関係についての理解が必要になってきます。ここでは2つのトピックについて説明します。

1.自動運転のための経路追従制御

経路追従の概要説明動画

経路追従問題は、自動運転を実現する上で最も重要な要素技術の一つです。定められた経路に沿って自動車が走行するための数学知識について説明します。

経路追従問題を扱う上で重要なものは曲率です。ここでは、曲率の定義、制御対象の曲率、目標経路の曲率、相互の関係について説明します。

(1)曲率の定義

曲率とは曲線の曲がり具合を定める量であり、曲率半径の逆数です。半径rの円の曲がり方をするときは曲率κ=1/rであり、右向きに旋回するときはκ=-1/rとなります。また、直線ではκ=0となります。

(2)車両の曲率

車両の曲率はハンドル角によって決まるタイプと、左右輪の駆動力差によって決まるタイプがあります。

ハンドル角により旋回する車両の曲率

左右駆動力差で走行する車両の曲率

自動車の運動方程式の曲率

(3)経路の曲率

目標経路は、初期値、初期角度と長さの関数としての曲率を定義することで定義可能です。

(4)車両(制御対象)と目標経路との関係

車両と経路の関係は非線形の状態方程式として記述できます。

このとき、具体的な式は以下のように書くことができ、曲率と車両速度vがわかれば、経路上の最小距離となる点との間の距離zが特徴づけられます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 図9.png

(5)自動車の運動モデル(2WS,4WS,4輪独立駆動)

(6)経路追従の達成

目標経路への追従は、zを零となるように制御することで実現できます。具体的には、非線形フィードバックを施すことで出力をzとしたシステムの出力零化を施せば追従します。これは、3種類示したどの車両にもいえます。

関連研究
[1] 岡島寛,浅井徹:「軌道の差」の評価に基づく軌道追従制御,システム制御情報学会論文誌,Vol.20,No.4,pp.133-143 (2007) j-stage

[2] 岡島寛,浅井徹,川路茂保:経路追従問題における最適速度制御,計測自動制御学会論文集,Vol.44,No.7,pp.566-574 (2008) j-stage

[3] 岡島寛,松永信智,川路茂保:ニュートラルステア特性実現のための直接ヨーモーメント制御,計測自動制御学会論文集,Vol.45,No.3,pp.153-159 (2009) j-stage

[4] 岡島寛,松永信智:モデル誤差抑制補償器に基づくロバスト経路追従制御,システム制御情報学会論文誌,Vol.29,No.10,pp.466-468(2016) j-stage

[5] 宮崎剛司,北原晃輔,岡島寛,松永信智:速度関数の最適化による車両の経路追従制御,システム制御情報学会論文誌Vol. 31, No. 7, pp. 274-280(2018)j-stage

2.操作感を実装するためのドライバーモデル

ドライバーモデルの基本的なものは、前方注視点に基づいた制御の形を取っています。前方注視点を利用して制御することで偏差情報だけでなく経路との偏角情報に基づいた走行がされることになります。

[6] 松永信智,岡島寛,志田裕紀,松野大亮:ドライビングシミュレータを用いた注視距離依存型操舵モデルの推定と評価,機械学会論文集(早期公開)16-00519 j-stage